スペイン旅行で失敗しないためのNG行動と回避策
海外旅行を計画される際、期待とともに様々な不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に、日本とは文化や習慣が異なる国では、「うっかり失敗してしまわないか」「思わぬトラブルに巻き込まれないか」と心配になることもあるでしょう。
この記事では、スペインへの旅行を検討されている初心者の方に向けて、安全で快適な旅を楽しむために知っておくべき「避けるべき行動」と、具体的な「回避策」について詳しく解説します。文化的な違いから来るマナー、安全に関する注意点まで、事前に知っておくことで回避できる失敗が多くあります。
スペイン旅行で避けるべき主な行動とその回避策
スペインは情熱的な文化、美味しい食事、そして豊かな歴史を持つ素晴らしい国です。しかし、旅行者が快適に過ごすためには、いくつかの注意点があります。ここでは、特に初心者が陥りやすい失敗につながる行動と、その対策をご紹介します。
1. スリや置き引きに対して無警戒になること
スペインの主要な観光地や公共交通機関、カフェやレストランなどでは、スリや置き引きといった軽犯罪が多発しています。特に観光客は狙われやすく、油断していると貴重品を失ってしまう可能性があります。金銭だけでなく、パスポートなどの再発行が困難なものを盗まれるリスクも伴います。
- なぜ問題となるのか: 人が多く混雑する場所、特に観光客が集まる場所はスリの格好の標的となります。注意力が散漫になりがちな食事中や移動中も危険が増します。
- 回避策:
- 貴重品は分散・管理: 大金を持ち歩かず、必要最低限の現金とクレジットカードに分け、異なる場所に保管します。パスポートはホテルのセーフティボックスに預け、コピーを持ち歩くことを推奨します。
- バッグの持ち方: ショルダーバッグは斜めがけにし、バッグ本体を体の前や脇に常に置くようにします。リュックサックは背負わず、前に抱えるか、網棚などに置く際は必ず目の届く範囲に置きます。
- カフェやレストランでの注意: 椅子にかけた背もたれのポケットに財布や携帯電話を入れない、テーブルの上にスマートフォンを置きっぱなしにしない、バッグを床や隣の椅子に放置せず、足元に置くか膝の上に置きます。
- 不審な人物や状況への警戒: 必要以上に話しかけてくる人物や、不自然に近づいてくる人物には注意が必要です。何かで気を引こうとするタイプのスリも存在します。
2. スペイン特有の食事時間帯を無視すること
スペインでは、ランチやディナーの時間帯が日本や他のヨーロッパ諸国と比べて遅いことが一般的です。ランチは14時頃から、ディナーは21時以降から始まることが多いです。この時間帯を知らずに行くと、お店が閉まっていたり、まだ準備中であったりする可能性があります。
- なぜ問題となるのか: スペインの生活リズムは日本と大きく異なります。特に個人経営のレストランや地方のお店では、この時間帯に合わせて営業しています。目的の店で食事ができない、あるいは混雑時に待たされるといった事態が発生し得ます。
- 回避策:
- 現地の食事時間帯を理解する: ランチは14時〜16時、ディナーは21時〜23時頃が目安であることを覚えておきます。
- バルを上手に利用する: バルは日中を通して開いていることが多く、タパスなどの軽食を楽しむことができます。食事ができるまでバルで過ごしたり、バルで済ませたりするのも良い方法です。
- 事前に営業時間を調べる: 行きたいレストランがある場合は、事前にインターネットなどで営業時間を確認しておきます。観光客向けのレストランは比較的早い時間から開いている場合もあります。
3. チップの習慣を誤解すること
チップの習慣は国によって異なり、スペインも独自の文化があります。アメリカほどチップが必須ではありませんが、サービスの質に応じて心付けとして渡すことが一般的です。チップに関する知識がないと、渡しすぎる、あるいは全く渡さないといった誤解が生じる可能性があります。
- なぜ問題となるのか: チップは義務ではありませんが、良いサービスを受けたことへの感謝を示す文化があります。適切な対応ができないと、気まずい雰囲気になったり、サービスの提供者に不快感を与えたりする可能性があります。
- 回避策:
- レストランでの目安を知る: 高級レストランや良いサービスを受けた場合は、合計金額の5〜10%程度を渡すことが目安とされています。カジュアルなレストランでは、お釣りの小銭をテーブルに残す程度でも問題ありません。
- バルでの目安を知る: バルでは基本的にチップは不要ですが、カウンターに置かれたチップ用の入れ物にお釣りの小銭を入れる程度のことはあります。
- タクシーでの目安を知る: 料金をキリの良い金額に切り上げる程度が一般的です。
- 迷ったら: 特に義務ではない場面では、無理に渡す必要はありません。渡す場合も、無理のない範囲で感謝の気持ちとして渡します。
4. シエスタの存在を忘れること
スペインには、午後に長い休憩を取る「シエスタ」の習慣が一部に残っています。特に地方や個人経営のお店では、午後2時頃から4時頃にかけて閉まっていることがあります。
- なぜ問題となるのか: シエスタの時間帯に買い物や食事をしようとしても、目的のお店が閉まっている可能性があります。時間を無駄にしてしまったり、予定が狂ったりする可能性があります。
- 回避策:
- シエスタがある場所・ない場所を把握する: 大都市の中心部や主要なショッピングモール、チェーン店、大規模な観光施設などでは、シエスタを導入していない場合が多いです。一方、地方都市や個人商店、銀行などではシエスタが残っていることがあります。
- 事前に確認する: 訪れたいお店や施設の営業時間を事前にインターネットなどで確認しておきます。
- 柔軟な計画を立てる: シエスタの時間帯は美術館や公園を訪れるなど、シエスタの影響を受けないアクティビティを計画するのも良いでしょう。
5. 夜間の治安が悪いエリアに立ち入ること
スペインの都市部には、夜間になると治安が悪化するエリアが存在します。観光客が立ち寄る機会は少ないかもしれませんが、道に迷ったり、近道しようとしたりして迷い込んでしまう可能性もゼロではありません。
- なぜ問題となるのか: 夜間や人通りの少ない場所では、強盗や傷害といった重大な犯罪のリスクが高まります。特に観光客は目立ちやすく、狙われやすい傾向にあります。
- 回避策:
- 事前に情報を収集する: 宿泊するホテルや観光案内所などで、避けるべきエリアについて情報を得ます。外務省の海外安全情報なども確認しておくと良いでしょう。
- 夜間の一人歩きを避ける: 特に女性の一人歩きは極力避け、複数人で行動するようにします。
- 安全な移動手段を選ぶ: 夜間はタクシーや配車アプリ(Uberなど)を利用することをおすすめします。公共交通機関を利用する場合も、人通りの多いルートや駅を選び、周囲への警戒を怠らないようにします。
- 華美な服装や多額の現金を見せびらかさない: 目立たない服装を心がけ、金品を無闇に見せないようにします。
まとめ
スペイン旅行は、事前の準備と現地の文化や習慣への理解があれば、より安全で楽しいものになります。この記事でご紹介した「スリへの警戒」「食事時間帯の理解」「チップへの対応」「シエスタへの配慮」「夜間の行動への注意」といったポイントを心に留めておくことで、多くの失敗やトラブルを回避できるでしょう。
これらの情報を活用し、スペインの素晴らしい文化、美味しい食事、そして美しい街並みを存分にお楽しみください。安全な旅を心から願っております。